
なくてはならないこと、やらなくてはならないことを明文化したものです。
まず一般的注意事項から始まり、安全衛生、汚染防止、海難、安全点検、荒天遭遇時の船内処置に分かれ、各々に細かな点を補足しています。
基本的な考え方については、一般的注意事項に集約し、次のように記載しています。
一、船上における勤務は、乗組員各人のちょっとした油断と不注意により、人命及び船舶の安全をおびやかす。よって細心の注意と熟練と体力及び忍耐が必要である。
二、船舶の事故は未然に防ぐことを第一とする。
不幸にして事故に遭遇したときは、人命及び船舶の安全のため最善の方法を取らなければならない。
三、船長は船舶の運航に必要な法令、規則を熟知し、遵守しなければならない。
四、漁ろう長及び船長は全乗組員に対し、就業規則並びに随時発給される通達を周知させ、遵守しなければならない。
この他に船員労働安全衛生規則や、毎年行われている安全衛生月間の方針、また当社の安全衛生管理方針などを加え、変更の都度追加する方法を取っています。
また、当社独自に、安全五則を作り、マニュアルに盛り込むと共に、この部分を抜き出し、額に納め船内に掲示しています。
この五則とは、一、安全確認は操業の第一歩、二、法律を守り、規律を正すことが基本、三、無理するな、再確認、四、安全確保は全員の責任、五、常に冷静に、常に点検、常に整備、というものです。
また出漁前には陸海合同のミーティングを行い、必ず安全衛生にかかわる確認を行っております。
しかし、安全マニュアルがいかに細部にわたって記載されていても、これを知らないのでは何にもなりません。
さらにまた、いかに知っていても確実に実行しなければ意味のないことになります。
安全管理において最も大切なことは、着実に実行することにあります。
たった一つの不注意が、取り返しのつかない大惨事につながります。
知るべきこと、守るべきこと、実行すべきことを一人一人が心の中にしっかりと納め、そして、それらを着実に実行へ移すことが何よりも大切なことではないでしょうか。
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